DXパートナーシップ

ご活用企業様インタビュー

高木綱業株式会社
代表取締役社長 高木 敏光さま

STOVEのサポートは
DXの推進に留まらず
社員の意識も改革する

部分的なデジタル化では終わりたくなかった

● STOVEのサポートをご依頼された理由を教えてください

弊社の主力商品である「ロープ」ができあがるまでには、数多くの行程があります。そのなかの「受注」や「製造の指示」といった初期〜中間工程において、現場への伝令はすべて「指示伝票」という紙を使って行っていました。しかしこの指示伝票はあくまでも紙。紛失や破損のリスクがあり、現場へ正しく情報が伝わらないことがあって困っていたんです。そこで、まずは「指示伝票のデジタル化」を目指して、さまざまな方法を検討しはじめました。

 デジタル化ということで、真っ先に思い浮かんだのがパッケージソフトの導入です。ですが、パッケージソフトには問題がありました。それは、あらかじめ用意されたフォーマットに完全に従わないといけないことです。そのため、パッケージソフトを導入しても作業効率が向上するプラスのイメージはどうしても持てませんでした。そこで発想を変えて、ゼロベースからオーダーメイドでシステムを作ってくれるサービスを探すことにしたわけです。

 それに、「指示伝票のデジタル化」はあくまでも最初の一歩のつもりでした。ゆくゆくは在庫管理や受注管理の一体化や、工場の稼働状況のリアルタイム監視ができるようにしたかったんです。それが可能になれば、たとえば営業担当者も取引先に納期の回答をしやすくなるでしょう。このように、製造から販売までが一貫して「より合理的な展開」がしやすくなることを最終目標として、デジタル化のパートナー探しをしました。

そこで出会ったのが、部分的なシステム開発だけで終わらずに、会社全体のデジタル化まで面倒を見てくれるSTOVEさんだったんです。

● STOVEへ発注される以前にあったご状況やお悩みを教えてください

先ほども申し上げたとおり、弊社では現場への伝令に指示伝票を使用していました。ただ、指示伝票は現場の担当者に渡してしまうので、どうしても1ヶ所にまとめて蓄積するということが難しかったんです。その結果、指示が伝わっていなかったり、指示した内容と食い違うアクションが取られたりという事態が散見されました。まずはこの問題を一刻も早く解決したかったですね。

また、書類ベースの作業では属人性が高くなってしまうため、ベテラン社員のスキルを若手社員に継承することが難しかったんですよ。そこで、ベテラン社員のノウハウを誰もが見れるような状態を作り、キャリアの少ない社員でも正確な指示を出せるような体制を整えたかったんです。

悩みといえば、過去の取引を確認するときに膨大な書類の中から情報を探し当てる必要があり、これも骨が折れました。データ化していれば検索性が向上するので、無駄な時間を短縮できるはずです。また、過去の受注生産の傾向をデータとして蓄積できていれば、受注見通しを立てるときなども、工場の稼働率に合わせて調節することができるでしょう。このように、デジタル化を通じて弊社全体の生産性を向上させたかったんです。

社員のモチベーションを引き上げる
共同プロジェクト体制が魅力

●現在、御社でSTOVEがサポートしている内容についてどうお感じですか?

STOVEさんのサポートで何よりも驚いたのは、こちらの現場担当者と密にコミュニケーションをとってくれることです。現場の話を聞くたびに、意見の吸い上げや進捗確認をかなり細かいペースで実施してくださっていると感じます。現場の希望に合わせて微修正も加えていただいているので、最終的に現場が使いやすいものができあがると信頼していますね。

現在、STOVEさんには、各種指示伝票をデータ化していただくと同時に、蓄積したデータから生産計画を立てられるシステムのプロトタイプを制作していただいています。それによって、書類作成によって生まれる時間や手間といった、今までは見落としていたコストに気づくことができました。また、情報の重要度による選別が簡単になったことで、重要な情報を確実に保存できる環境が整い、ミスが生まれにくくなったと実感しています。

● STOVEのサポートにより、御社内で最も変化を感じられたのはどのような点ですか?

社員一人ひとりの仕事に対するモチベーションが大きく向上したことですね。それもひとえに、STOVEのスタッフの皆さんが弊社の社員の発言によく耳を貸してくださり、現場の社員が意見を言いやすい環境を作ってくれたからです。そのおかげで、現場の社員が自ら問題点を率先して探していくという流れが生まれました。この流れが、社員一人ひとりの仕事への目的意識も高めてくれたようです。

この恩恵は、STOVEさんに当初お願いしていた「デジタル化」や「会社に合ったシステム開発」といった言葉からは想像もつかないものでした。その意味で、STOVEさんには弊社の期待を遥かに超えた貢献をしていただいています。おかげで、各社員の仕事に対するモチベーションや目的意識が以前よりもハッキリと見えるようになり、評価もしやすくなりました。社長としては、この点がSTOVEさんにお願いして一番良かったと思っています。

システムを共に創り上げるプロセスに大きな価値

●システムを日々作り変えて最適化を目指すSTOVEの体制をどうお感じでしょうか?

企業がデジタル化を目指すにあたって理想的な体制であるように感じます。デジタル化された環境の整備が目的の企業にとって、単に完成されたシステムを受け取るよりも、実は「自社にとって最適なシステムを共に創り上げていく」というプロセスの方が遥かに大事なんですよね。このプロセスそのものが自社の社員を大きく成長させてくれましたから。

それに、STOVEさんのサポート体制は、中小企業に非常にマッチしていると感じています。中小企業の多くは管理体制や役割分担が曖昧で、現場任せになっている部分がたくさんありますよね。そこにSTOVEさんが入っていただくと、現場の社員が自分のすべきことを改めて明確化できるんです。この点も含めて、中小企業こそSTOVEさんにデジタル化のサポートをお願いする意義が大きいのではないかと思います。

今回インタビューにご協力いただいたお客様

高木綱業株式会社
代表取締役社長 高木 敏光さま

【プロフィール】
1979(昭和54)年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。経営コンサルティング会社にて経営戦略策定や定着支援等の業務に従事した後、2011年に高木綱業(株)入社。
2013年現職の代表取締役社長に就任。

高木綱業株式会社

1954(昭和29)年創業、1955(昭和30)年設立。
香川県高松市に本社を置く繊維ロープ・電子機器メーカー。船舶・水産・海洋開発・土木・電力通信・道路・航空・スポーツ・ホームセンター等様々な用途向けの製品を製造、販売。

近年では高機能繊維と特殊加工技術を組み合わせたロープ製品や高速道路渋滞緩和ペースメーカーライトの開発・製造、研究機関や他分野企業との連携による製品試験・点検技術の研究開発と標準化等にも注力。 2015(平成27)年、経済産業省中小企業庁「がんばる中小企業・小規模事業者300社」授賞。

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